そう言ってあたしの顔に、自分の顔を近づけてくる。
「ちょ…!」
「自己中でわがまま?…先輩の言う通りですよ。僕は僕が欲しいと思ったものは絶対手に入れたい」
「さっきから何言って…!」
いいから手、離しなさいよ!と彼の手を振り解こうとするけれど、これっぽっちも動きやしない。
なんなのこいつ…!一体何がしたいわけ!?
「陽菜先輩のこと、すきなんですよ」
「………は?」
たっぷり間を開けて数秒、やっと正常に働いた脳内では「は?」の文字しか浮かばなかった。
こいつがあたしを好き……?
「冗談もいい加減にしなさいよ…」
「僕が冗談でこんなこと言うと思います?」