頭を押さえながらあたしがそう聞くと由実さんは目尻に少し涙を溜めながら笑顔で頷いた。




「ありがとう、ちぃちゃん」


『うん?なんのことかな』




そう言うと由実さんはにかっと笑ってあたしの頭をグリグリと乱暴に撫でた。




「じゃあ、みんなでケーキ食べよっか!」


『いいの?』


「もちろんよ!せっかくちぃちゃんが来てくれたんだもんっ」


「そうだそうだ!久しぶりにみんな呼ぶか!!」


『「えっ…」』




もっくんは携帯でいろんなひとに電話をかけていて、由実さんはご飯を作るためにエプロンをつけて台所に立っていた。


あたしと暁斗は呆然と立ち尽くして顔を見合った。




『……まあ、いっか?』


「ああ…たまにはな」




そう言った暁斗は綺麗に笑っていた。





-END-