暁斗が部屋に入って少し経った頃、もっくんがやってきた。
「ちぃ」
『?』
ほい、と差し出されたのはオレンジジュースだった。「ありがとう」と言って貰った。
「暁斗のやつ由実と話してるのか?」
『うん、たぶん』
「あいつらふたりとも頑固だからなあ」
うまく仲直りしてるといいな、そう言って笑いあたしの頭をポンポンと撫でた。
───すると何十分経った頃、ゆっくりと襖があいた。
「ちぃちゃん…!」
『わっ』
部屋から出てきた由実さんに抱きしめられ、受け止められなかったあたしはそのまま床に頭を打ってしまった。
「あ?!ごめんね大丈夫!?」
『うん、大丈夫だよ…。ちゃんと話せた?』