『そう!ちょっと仲直りしに!』
隼人と一緒にいた琴音にそう言い、暁斗のバイクに飛び乗った。
「ったく…強引だな」
『後悔してからじゃ遅いから言ってるんだよ。今こうしてても何があるかわからないんだから』
「……ん」
暁斗は観念したように笑いあたしにヘルメットを渡してくれた。
あたしは親がいないから、よくわからない。けれどなくしてからじゃ遅いものもたくさんある。親なんて一番身近にいるひとなんだから、このまま喧嘩別れなんかしたら後悔するだけじゃ収まらないと思う。
「どうしてあの時あんなこと言っちゃったんだろう」…って後悔して、ずっと自分を責め続けることになる。…そんなの親も望んじゃいない。
だから、言えるときに「ありがとう」って言っておかなきゃ。
「いらっしゃいませ〜」
『由実さんどんなケーキが好きだったっけ』
ケーキ屋さんについてガラスケースを覗いていれば、横から暁斗の手が小さなモンブランのホールケーキを指差した。
「これ、ひとつ」

