しばらく無言が続き、これ以上言っても無駄かな…と思いあたしはまた雑誌に目を戻した。


すると暁斗が口を開いた。




「……別にこのままでもいいけどな」


『…なんで』


「いちいちめんどくせえんだよ。俺のやることに口だしてきて…」




それを聞いてあたしは深く溜め息をついた。


こういうのを“親不孝”って言うのかな…。




『何あたかも自分ひとりで生きてる、みたいなこと言ってんの?』


「は…?」


『今こうしてここにいられるのも、親のおかげでしょ?それに暁斗はひとりじゃないじゃん』




魁桜のみんながいて、あたしもいて、ひとりなんかじゃない。それの何が不満だっていうの?




『由実さんが暁斗を気にかけるのだって、心配してるからでしょ?それを“めんどくさい”の言葉で片付けちゃだめだよ』


「稚里…」