「だから!好きかって聞いてるのっ」


「うん?すきだよ?」




そう返されると思ってた…。と予想通りの答えで嬉しいかったけれどどこか残念に思っている僕も居た。


幼なじみ、という壁なのか…それ以前の問題なのか…。




「はぁ…ひなってさ、恋愛感情って言葉知ってる?」


「やだな〜ひなだってそれくらい知ってるよ〜」


「じゃあ、恋愛対象として渚くんのことどう思ってるの?」




突っ込んだ話をしていくひなちゃんの友達に、僕は聞き耳を立てながらごくりと生唾を飲み込んだ。




「恋愛対象としてかぁ〜…」


「あんたってさ、ほわーんとしてて好き嫌いはっきりしてるじゃん?だからぶっちゃけ渚くんのことそう思ってるのかなぁって」




…ひなちゃんって、好き嫌いはっきりしてるんだ…。15年間、ずっと一緒にいたけれどそんなの初めて知ったや。


僕の知らないひなちゃんが、いるんだ…。


そのことに若干ショックを受けながらも話を聞き続ける。