頭が、ついていかないんだけど…。どういうこと…?
「ごめんひな。あれ全部演技。ひなをびっくりさせたくて」
「えん、ぎ……?」
「そう。俺記憶喪失なんかじゃないよ。ちゃんとひなのこと覚えてるよ」
彼が楽しそうに笑っているのに対して、あたしはふつふつと怒りがこみ上げていた。
「ふざけ、ないでよ…」
「ひな?」
「ばかなぎ!!あたしがっ、どれだけ心配したか!わかってるの!?」
もしかしたら、なぎが、死んじゃうかもしれないって。考えたくなかったけど、どうしても、嫌でも、頭に「死」の文字が浮かんできちゃうんだよ。
「心配、したのに…っ」
「ひな…」
「最低…っ!いつもそうやって、からかって…!あたしの気も知らないで!」
なぎの病室を出ようと立ち上がったとき、ぐっと腕を捕まれそのまま引っ張られなぎの腕の中にダイブした。

