いろんな小話




彼の口から出た言葉はあたしの胸を突き刺すには十分だった。




「え…、なぎ…?」


「俺のこと、知ってるの…?俺の知り合いだった?」


「…っ!」




そう言われた瞬間、言葉が出なかった。


あたしのこと、忘れて、る…?さっきお兄さんが寂しそうな顔をしたのは、これ…?




「な、ぎ…あたしのこと…覚えてない…?」




涙で視界が揺らぐなか、彼がぷっと吹き出したように見えた。




「え…」


「やっばい!ひな可愛すぎ!!」




そう言って、あたしは彼に抱き竦められる。