梅雨の6月。6項時の数学。
入学した当初はみんな真面目に授業を受けていたのになれるとそうはいかない。

入学して2ヵ月半程。
クラスの大半が机に突っ伏して爆睡しているか下敷きを団扇がわりにして暑さを凌いでいる。先生も怒るのを諦めているようでそのまま授業を続けている。
私は寝ていないが黒板に書いているのものをただ写しているだけで先生のの言葉はというと左から右へ受け流している。

ジメジメして集中できない....。
教室にエアコンつけたい....。

そう思っていると一枚の紙切れが飛んできた。六花「りっか」からだ。高校に入ってできた友達。六花は寝ていないが趣味の絵を描きながら横目で私を見てニコニコしている。疑問に思いながら紙に目をやると

《放課後3人でアイス食べに行こ!》

いや別に授業終わってから言ってもいいじゃんっ!
しかし六花の気持ちもわかる。
休み時間に言うのと授業中にコソコソやりとりをするのでは同じ内容のことでも、授業中にやり取りをしたほうが倍楽しいのだ。理由はよく分からないがそういうものなのだ。

ちなみに 3人 というのは
わたし、六花、澪 のこと。

澪も六花と同じ、高校に入ってできた友達だ。

六花に

《いいよ。六花のおごりなら行く。》

と書いた紙を渡すと六花は困った顔でお腹まで伸びたピンクアッシュのツインテールで顔を隠した。