ひろきっていうのは、俺と同じクラスの、高校で最初の友達。



ってか親友。



ひろきは野球部だから俺らが一緒に帰れる理由もそれ。





…そんな帰り道。




「明日ひろくん部活ないんだって。だからデート誘ってくれたの♪」




「ふーん。そう。」




またひろきの話。



俺にとってそれは苦痛でしかない。



なのにこいつは…




「翔、最近素っ気ない。ひろくんはそんなふうに言ったりしないのに…。」



口を尖らせて少しいじけた様子だ。



俺は完全にトドメを刺された。



ふつふつと沸き上がる感情を抑えきれずに口に出してしまう。




「何おまえ!"ひろくん、ひろくん"って。そんなにひろきのこと好きなら俺にまとわりつくのやめろよ!」