エピソード2。
-大和が戻るまで-

「友梨〜俺ら先に行くからな〜」

達(たつ)が稜牙の運転する単車であたしを追い抜いて先に走っていった。
…正確には、あたしと裕紀。

『っちょ、裕紀!稜牙たちに追いついてよ!!』

「はぁ!?無理だろ…俺らチャリンコだぞ」

あたしは裕紀の運転するカマハンの荷台に立ちながら、
のんきにタバコを吸おうとしている裕紀の肩をゆらす。

『だから!?立ちこぎしなよ!早く〜』

「あーーわかったよ!!はいはいはい…」

その返事に大人しく荷台に座る。

「タバコ…火着けたばっかり、いるか?」

『もらう〜から、はよして!!』

「はぁ〜だりぃ〜…」

もらったタバコを吸いながら、
片手で荷台をつかむ。
…………。

『おい〜ケツふるなよ〜!!(笑)』

「あぁ!?…はぁっ、しゃあねーだろっ!立ってこいでんだから!!!」

立ちこぎをする裕紀はあたしの前でお尻をふっている…。

「っ!…おい!ケツ叩くなっ友梨!!」

『はー?別にいいじゃん(笑)』

早く進め!!と言う気持ちを込めて
バシバシ叩き続ける。

「なっ!?…あ〜そうゆうことかぁ」

『んー?なに〜??』

「またシたいの〜?友梨ちゃん?朝からシたばっかりだよ〜?」

『………はぁ!?ちげぇし!!ちっ、もうやだ、降りる』

「おっおい!!冗談だろ!?…っわ、危ねぇ!友梨!!」

裕紀の服を引っ張って無理やり座らせ、
荷台に立って自転車から飛び降りた。

『稜牙〜!!!』

それから、数十メートール先でゆっくり走ってる稜牙の単車に向かって
叫びながら走る。

「友梨っ!待てよ!!おいっ!!」

…あたし、足にはけっこう自信あるんだ♪
少ししてあたしの声に気づいた稜牙が止まってくれた。

『稜牙〜!裕紀がエロい〜!』

稜牙の側まで走ったあたしがそう言うと
「いつものことだろ?(笑)」と笑う達に
稜牙が「降りろ」と言い、
足を使ってターンすると裕紀に向かってアクセルを回し走っていった。

「…へ?ちょ、ちょっと…待て待て待て!!稜牙!?おいっ友梨、てめぇ!うおーーーー?!」

それからしばらくの間、裕紀の悲鳴が響いた。

「…裕紀、どんまい」

青ざめたかおで言う達。
あたしは心の中でざまーみろと笑った。

「…達?」

「あ?」