「あの、ちょっと座ってもいいですか」 倒れるよりはいいよね。 少し休憩して、また走ろう。 私はその場にしゃがんだ。 すると六郎さんも私の隣に座った。 あのキス以来、こんなに近くに、 六郎さんがいるのは久しぶりかも。 会えない期間が続くと、人って その相手の事ばかり考えちゃうんだ… 今、私、ようやくほっとしてる。 「なあ、吉岡」 「なんですかぁ」 六郎さんはうつむいて、髪をかきあげ 大きくため息をついた。 「抱きしめてもいいか…?」