こんな、後ろからバケツで水かけられて 全身ずぶ濡れでさ… 悲しいって思わないわけないじゃん。 でも抵抗する気にもなれない自分が、 いて、かわいそうになる。 廊下を歩いていると、水がしたたって、後ろに私の足跡が残った。 はぁ、あとで拭かないと… 「吉岡? なんでお前そんな濡れてんの」 …六郎さんだ。 あなたのせいでこんなふうになったの。 そう言えたら、どんなに楽だろう。