──沖田組長。



江戸に下り、貴方と別れて暫くが経ちました。
だからもう、大丈夫ですよね。


実は、貴方にずっと黙っていたことがありました。


俺、本当は知っていたんです。


貴方が……女子だということを。




病に臥せ、稽古や隊務に出なくなって、貴女は少しずつ変わっていきました。


痩せたということもあるかもしれません。貴女の身体は男のそれには見えませんでした。喉仏がないと気付いたのは確かにそれを確信させたことでもあります。


けれど一番は、穏やかになったその表情でした。


貴女の山崎さんを見る目が、やはり男のそれとは違って見えたのです。


女子だと思えばこれまでの全てがするりと納得出来ました。


それでも、一番組であって良かったという思いは変わりませんでした。


寧ろもっと力になりたいと思った。


もっと、貴女の側にいたいと……。


それが、恋慕の情だというのはわかっていました。


でも、決して貴女の幸せを奪いたい訳じゃなかった。
貴女にはあの人がいました。


俺はただ、そんな貴女を側で見ていられればそれで良かったんです。