飼い猫と、番犬。【完結】


珍しく神妙な面持ちの山崎の手が立ち上がろうとする私の肩を押さえつけて。


そいつが部屋を出たと同時に響いたカタンという音に、此処に連れて来られた意味を理解した。


閉じ込められた。


この広い建物に移っても相変わらず物置のような小さな部屋を好むのは、こんなことも理由にあるのかもしれない。


心張り棒(つっかえ棒)の置かれたらしい戸は幾ら引いてもガタガタと鳴るだけ。



「……山崎の馬鹿!っ、こほっ」



止まらない咳が憎らしかった。


大事なことの筈なのに、私は何も出来ずにただその成り行きを傍観するしか出来ない。


わかってた。
わかってたつもりだった。


仕方のないとわかってはいても、平助のこととなれば話は別だ。


大切な仲間なのに。


例え前みたいに体が動かなくたって、私はこの新選組の一員なのに。


話し合いにすら入れてもらうことも出来ずにぽつんと蚊帳の外に置かれたことが酷く、悔しかった。



けれど人通りの少ない此処では結局山崎が戻るまで出ることは叶わず。


だからと言って大人しく眠るなんて出来なかった私は布団にくるまり、色々なことを考えながらにあいつの帰りを待つしかなかった。