飼い猫と、番犬。【完結】




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年末、天子様が突如御隠れになられた。


いつもなら晴れ着に賑わう新春の町も、今年は皆喪に服して行き交う人も少ない。


元より天子様のお膝元である京はとりわけ天子様を敬う連中が多く、同じく昨年亡くなられた家茂公の時とは町の様子も大きく違う。


その辺がこの新選組が未だに快く受け入れられない原因でもあったりする訳なのだが……。


兎も角、そんな新年を祝う空気など皆無のこの町で、無断外泊禁止の隊規を破ってまで花街島原の角屋に居座り続けた強者が現れた。



伊東、永倉、そして斎藤くんだ。






「……一くんも新八さんも、何があったんでしょうか」



油皿に灯った薄暗い明かりの中、先に布団に潜っている沖田がうつ伏せに肘をつき、難しい顔で宙を睨み付けている。


この数日見る度にこの顔だ。


「まぁええやん、首は繋がったんやし」


局長達の逆鱗に触れた三人は、それを慕う奴等の嘆願もあり切腹こそ免れたものの、戻るや否や謹慎を言い渡された。


戻ってこなかった時は突然の事に食が細くなる程二人を心配していた沖田だが、戻ってきた今も相変わらずその頭の中は他人の事で一杯らしい。


「良くないです、貴方もあの噂聞いたでしょう?二人が」

「あいつらもええ大人や、それなりに考えての事ちゃうん?自分かてそやろ」