今も尚私を想ってくれるのは嬉しい。でも、これで良いのかとも思うのだ。


平助は優しい。本当なら私なんかに拘らなくても好い人は沢山いる筈だ。


半ば意地になっているようにもみえるこの関係は果たして平助の為になるのか。


勿論何をどう思うかなんて人其々で、当事者でもある私がどうこう言うことじゃないとわかってる。


わかってる、けど。


平助は本当にこのままで良いんでしょうか……。





「っ!?」


そんなことを考えていれば、不意に首筋に手が触れた。


反射的に振り向くと複雑に眉を下げて笑う平助がいて。



「ごめん、わかってるんだけどさ、やっぱりちょっと妬ける」



……昨日の!


慌てて掌で覆うももう遅い。


止めて欲しいと言っても知らぬ間についてるその夜の名残は昨日も同じで。


流石に毎回さらしを巻くのはわざとらしくて衿を詰めて極力見えないようにしているのだけれど、中々完璧にとはいかない。



「……そ、の」


恥ずかしさと申し訳なさとがない交ぜになって押し寄せて上手く言葉が出なかった。


肌を刺す気不味い空気に視線が落ちる。