腕の中でぴくりと身を反らせた沖田の顎を掴んで顔を向かせる。


「自分は?」


やっと間近で見たその双眸には既に色が浮かんでいて、躊躇うように一瞬目を逸らしつつもそいつは小さく唇を動かした。


「逢いたかった……です」

「ん」



隔てた刻というのはこいつに少しの変化を与えたのか。


珍しくあっさりと素直に認めたそれに満足を覚えて唇を重ねる。


久々の柔らかな感触。
吸い付くようにしっとりと濡れた滑らかな唇に身体が疼いて、すぐに深く舌を絡めた。


飢えていた。


いつ帰れるかもわからぬこの半年、男と二人で過ごした侘しい生活。長旅の疲労は確かにあるのだが、身体の奥が熱を欲した。


見返る状態なのを良いことに、後ろから回した手をその胸元に滑らせ肌に触れる。


柔らかな感触に脳が、眩む。




「っ、待っ……」

「つ訳ないやろ」



身を捩る沖田の言葉を奪って唇を塞ぎ、身体ごと向き直らせる。


周りで揺れる水面さえも心地よく俺を煽って音を立てた。


湯を挟んで触れ合う肌は酷く滑らかで、いつもとはまた違う快感に全てが急く。


続きは部屋でと思っていたことすらどうでもよくなって、固く閉じられたその太腿に指を這わせた。