絡みついた腕に力が籠められ、身体がぴとりと密着する。


いつの間に着たのか、襦袢だけは着ていて安心したのも束の間。


すぐ近くにあるその温もりが無性に恥ずかしくて、眠気眼が一気に目覚めた。


「だっ、大丈夫ですっ」

「俺寒い」

「え、大丈夫ですか?ふと、んっ」


不意に降ってきた口付け。


一組の布団、ちゃんと被っているのかと心配しただけなのに、振り向きかけた瞬間の出来事に反応すら出来なかった。



「おはよーそうちゃん」


濡れた唇を舐めながら私を見下ろす山崎の笑みに心の臓が踊り出す。


昨夜の記憶が朝の頭に生々しく甦って、一気に頬が熱くなった。


「おはよーござい、ます……」


む、無理……っ!


まともに直視なんて出来る訳もなく、慌てて視線を泳がせた私の首にまた唇が触れる。


「温めてくれへんの?」

「っ」


ざらりと湿った感触に呼び起こされたのは昨夜の熱。


下へと這いながらわざとらしくたてられる音が更に羞恥を煽って指先に力が籠る。


恥ずかしいのに気持ち良い。
そんな不思議な快感に頭がくらりと霞む。


けれどその手が寝乱れた襦袢の隙間をすり抜け太股の内に触れた瞬間、理性という名の本能が体を動かした。



「だっ、めですっ!!」

「い゛っ!?」