ぱく、と少しだけ食むように口付けて、間近で瞬く丸い目を見据えた。



「まずは早よう動けるようになる事。続きはそっからな」



藤堂くんと話した今、一応のけじめはついたんだろう。もしかしたらさっきのを気にしたのかもしれない。


据え膳食わぬはなんとやら。
勿論このままという思いもない訳ではなかった。


けれどもこいつの体を考えるとやはり流石にそれは躊躇われた。


それでなくともこれは生娘だ、余計な痛みを抱えたままでは互いに楽しめるものも楽しめない。


冷静になってしまえば女にがっつく程青くもないし、不自由してきた訳でもない。どうせ此処まで堪えたのだ、あと数日それが延びたところでどうってことはない。


ならば楽しめる方が良いに決まってる。


それに、こいつからあんな事を言い出すのはかなりの勇気と覚悟がいった筈だ。


どんな思いでそれを口にしたのだろうと考えれば、じわじわと笑いが溢れ、どこかこそばゆい喜びが湧いた。



今日のところはもうそれで良い。




「多分自分が思てる以上に体力勝負な運動やからな、一緒にはおったるさかい今日のところは大人しゅう寝とき」

「運っ……」