飼い猫と、番犬。【完結】




……は?


またぽかんと口を開きそうになって、今度はなんとかそれを押し留める。


尻窄みに中々大胆な事を言ってのけた沖田は、やっぱり恥ずかしかったのかすっかり真下を向いてしまっていて、その意図が掴めない。


というか以前の藤堂くんの時の事もあって、どう捉えれば良いのかがわからなかった。



「……自分それ、意味わかって言うてんの?」


ゆっくりと伸ばした指先で頬を撫でる。


怯えるようにぴくりと肩を竦めた沖田だったが、衿を固く握るそいつはそれでも顔を上げようとしない。


ただ前髪の奥に見える唇が何かの覚悟を決めたように一文字に結ばれていた。


その唇からは否定も肯定も紡がれる事はなかったが、どちらを意味するのかはもう聞くまでもなかった。






「沖田」

「っ」


正座する沖田の足を囲うように手をついてその顔を覗き込み、唇を啄む。


目を丸くして僅かに仰け反ったそいつは、直後、微かに眉を潜めて。


そんな沖田をそのまま後ろに押し倒せば、慌てて背を丸めて受け身をとりながらもそいつはまた、顔を歪めた。


それは明らかに感情によるものではなかった。


恐らく、腹に力を籠めるだけでもあの紫斑が痛むんだろう。


あまり深刻なものではなさそうだとは言え、一時はすぐに身を起こす事が出来ない程の衝撃を、あの時こいつは受けていた。




「……無理しな阿呆」