声が、震えた。
それでも、それはちゃんと聞こえていたみたいで、騒がしかった部屋が静かになり、皆の顔がこちらを向いた。
勿論その中には土方さんのものもある。
緊張しているのか、矢鱈と乾いた喉を唾を飲んで潤すと、私は眉を潜めたその人を見据えた。
「……私が、追います」
全ては今更だ。だけど、どうしてもっとちゃんと話をしなかったのかと後悔ばかりが浮かぶ。
いつもと様子が違うことはわかっていたのに。
それでもまさかこんなことになるなんて思ってなかったのは、私の慢心に過ぎない。
だからもう一度あの人と話がしたい。理由が聞きたい。
他の誰かに行かせるくらいなら私が行く。そうすれば、このまま逃がしてあげることだって……出来る。
私は土方さんみたいにはなれないし、なりたくない。
山南さんは、私の大切な家族なのだから。
そんな意思を持って真っ直ぐに見つめる私を見定めるように、土方さんの鋭い目がじっとこちらを向いている。
それはもう私の知るその人の目じゃなかった。
冷たく、威圧感のあるそれはどこまで本心なのかはわからないけれど、あの頃とは違うのだということだけはわかる。
……本当に、今更ですが。
何故だか泣きそうになって、再び唇を噛み締めた。
今の私に、そんな弱さは要らない。
要らないんです。
「……良いだろう──」


