中学の時はなんとか頑張っていたんだけど、あまり上達もできないし
親にも反対されたので、高校からは吹奏楽から離れることにした。


「そっか、じゃあサッカー部のマネージャーか。」

少し深刻そうな顔をした綾莉だけど、何故かすぐに吹き出した。


「あはははは、ダメだ笑える!
 美夏がサッカー部のマネージャーしてるとこ、考えるだけで笑える!」

「そ、そこまで笑わなくてもいいでしょ!」

「だって…!
 いつも放っといたら必ずドジしてる美夏が…
 あはははは!」

綾莉は、お腹痛いお腹痛いってずっと言ってる。

ふてくされて先に歩くと、ゴメンゴメンって謝って追いかけてくる綾莉。


知ってるよ?

そう言いながら綾莉は、いつも私のこと心配してくれていること。

何かあったら、すぐに助けに来てくれるからさ。


「綾莉、だーいすき!」

「急にどうした!?
 てかそれ、知ってるから!
 美夏、私がいなかったら生きてけないもんね」


情けないけど、その通りなわけで…


そうこうしている間に、もう高校の門の前まで着いた。

「行くよ」

そう言われて、私は大きく頷く。



「「せーの!」」


声を揃えて、私達は入学した。