次の日の朝。藤野君が登校してきたのはHR直前。

寝坊した…のかな?

一時間目は体育だったから、まだ話せていない。

そして今、二時間目の数学。


実は藤野君、私の席の後ろ。
頭いいのに、授業中は居眠りしている。

私の中で考えている選択肢は三つ。

一つ目は、メモを書いて後ろに渡すこと。
起きてくれるか、先生に見つからないか…

二つ目は、この授業が終わった時に聞いてみること。

三つ目は、今日の帰りに聞くこと。
これだと部活はまたサボり。

うーん…
どれが一番いいのかな…

考えてた時、後ろから肩を叩かれた。

その手には白い紙が。

受け取ってみると、汚い字で
《なんかあったろ。》
と書いてあった。

先を越された私は、渋々一つ目の選択肢を選ぶことに。

《うん。サッカー部の先輩とかが、私が部活来ないからって心配しているみたいなの。
だけど、ここまで休んでて部活に急に現れるのはやっぱり…変だよね…》

先生が黒板に何か書いている時を見計らって、机の上に紙を置く。

しばらくしたら紙を開く音がした。
やっぱり、寝てたんだ…

シャーペンで何かを書いている音がする。
紙を折る音がして、肩を叩かれる。

《そっか…美夏は、どうしたい?》

私?
私は、やっぱり…