家に帰っている途中、冷たい涙が頬を伝う。
もう、あんなミスしてしまったんだから…
いれないかもしれない、サッカー部に、部室に。
「大丈夫?」
誰だろう…
そう思って振り返ると、同じクラスの藤野君がいた。
「藤野…君?」
「どうかしたのかよ?」
そういって、近くの公園に連れて行ってくれた。
まだ話したことがなかったのに、ただのクラスメートなのに、こんなに優しくしてくれるんだ…
久々に男子に優しくされて、嬉しくなって。余計に涙が出てきちゃう…
「サッカー部のマネージャーなんだけどね…
最近、たくさんミスしちゃって。仕事たくさんして選手には試合だけに集中させなければならないのに、私は仕事たくさん増やしちゃって。マネージャーの先輩に帰れって言われちゃった…」
藤野君に心配させるのは申し訳ないから、とりあえず笑ってみる。
だけど、あまり上手く笑えてないことが自分でもわかるくらいの愛想笑いだった。
「本当は、泣きたいんだろ?
泣けよ、みんなに黙っててやるから。」
そういった藤野君は、私のほっぺをつねった。
「うっ…ぐすっ、……っ」
ごめんね、藤野君…

