「あー、楽しかったー!」
中2の誕生日は本当に楽しいものになった。
時間が経つのがあっという間で、ふざけて大笑いの繰り返し。
やっぱり誕生日には海渡がいなくっちゃ気持ち乗らないよねー!
スキップで学校に向かっていると、偶然にも海渡を発見する。
「なにスキップなんてしてんだよ。朝からきもちわりーな」
「もー、海渡ってば口悪いっ!土曜日はあーんなに楽しかったのに!」
あの時の海渡は...なんかいつも以上に優しかった。
いつもだってたまには優しいんだよ!?なのにあんなに優しくされちゃったら...
「気になっちゃうってゆーか...」
「あ?なに1人で喋ってんだよ、きもちわりーな」
「もー!!なんなのよさっきっからぁ!」
口が悪いのさえ直ればなぁ......
なんて、そうなったら海渡はもっと人気者になって、私には手の届かない存在になっちゃうんだろうけど...
それはそれで、傷ついちゃう私。大切な幼馴染みが誰かに取られるなんて、考えられないよー!
海渡は誰のものでもないけど、今の日常は絶対に壊したくない。
隣に海渡がいないなんて、どうにかなっちゃいそうだもん。