少しの沈黙、それから視界の隅でユウくんが、ふっとどこか嘲るように鼻で嗤った。
「どこがだよ? お前の目は節穴だな」
そう言って煙草の火を揉み消した彼は、まだ出てきたばかりなのに珍しくもう腰を上げた。
「お疲れ。俺もう今日は帰るわ」
そう言った時には既に背を向けていた。
片手をひらりとあげて、メグたちの横をすり抜けるようにして……本当に、帰るんだ。
いつも彼は最後までここに残っていたように思うのに、逃げるようにさっさと。
――そんなに、私と仲が良いと思われたのが嫌だったのか。
いや別に、構わないんだけど。
私も困るし。
「俺……なんかマズい事言った?」
と、尚吾くんが少しだけ顔をひきつらせた。
「わ、かんない、けど……単に疲れてたんじゃない? 社員試験のこととかで」
一体何をフォローしてるんだか、ぷちパニックだ。
そんなことよりもユウくんとは別に何もないってはっきり言いたいのに、なんとなくタイミングを逃した。
そもそも尚吾くんと私の間に意固地になってそれを否定しなければならないような関係は何もないのだ。
それが引け目なのか、不自然に話をむし返すのも躊躇われて。
結局何も言えない内に、微妙な間合いに気を遣ったのか、また尚吾くんの方から柔らかく話を振られた。
「莉緒は?」
「――へ?」
「もう、帰る? 久しぶりに、送ってくよ」
「どこがだよ? お前の目は節穴だな」
そう言って煙草の火を揉み消した彼は、まだ出てきたばかりなのに珍しくもう腰を上げた。
「お疲れ。俺もう今日は帰るわ」
そう言った時には既に背を向けていた。
片手をひらりとあげて、メグたちの横をすり抜けるようにして……本当に、帰るんだ。
いつも彼は最後までここに残っていたように思うのに、逃げるようにさっさと。
――そんなに、私と仲が良いと思われたのが嫌だったのか。
いや別に、構わないんだけど。
私も困るし。
「俺……なんかマズい事言った?」
と、尚吾くんが少しだけ顔をひきつらせた。
「わ、かんない、けど……単に疲れてたんじゃない? 社員試験のこととかで」
一体何をフォローしてるんだか、ぷちパニックだ。
そんなことよりもユウくんとは別に何もないってはっきり言いたいのに、なんとなくタイミングを逃した。
そもそも尚吾くんと私の間に意固地になってそれを否定しなければならないような関係は何もないのだ。
それが引け目なのか、不自然に話をむし返すのも躊躇われて。
結局何も言えない内に、微妙な間合いに気を遣ったのか、また尚吾くんの方から柔らかく話を振られた。
「莉緒は?」
「――へ?」
「もう、帰る? 久しぶりに、送ってくよ」



