「えぇ⁉︎」

咄嗟に口を押さえたが、驚きを隠せない僕の表情を見て父は不思議そうな顔をする。


「お前は、成績は優秀で品行も方正だ。運動神経だって群を抜いている。それに加え容姿も端麗だ。私に似てな」


自分の子供の事そこまで褒めないで!

もうただの自画自賛にしか聞こえない。


「完璧と言っても過言ではないのだが、まだ男らしさが足りない」


まぁ性別には勝てませんよね。


「だから男子校に通い、男の中でも最も男らしくなり、後継者に相応しい者となって帰ってこい。と、言う訳だ、...何か意見はあるか?」

「い、いえ」


何も言えない……。







叫んでしまいたい胸中を、父が察するはずもなく...。




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試験にも合格してしまい、今に至るわけで。


当然、母には相談した。
しかし、‘‘いい勉強になるじゃない!”と何故か乗り気。他人事だと思って軽く考えているようだ。

もし、女だと学校にバレたら、僕は仮にも高校を中退することになってしまうかもしれないし、父には確実にバレる。


そうなったら......、




一瞬にして背筋が凍りつく。


‘‘絶対にバレないように高校を卒業するんだ‼︎”


その決意だけが頭に浮かんだ。