「日向。待たせて悪かったな」 「何かあったの?」 「いや、何も。行こうぜ」 そう言って日向の荷物を持ち、職員室に居る担任に渡した。 その後、日向と寮に帰る途中、向こうの方から3年の生徒が焦った様子で走って来た。 俺は慌てて避けたが日向は避けきれなかったらしく、バランスを崩した日向とそのまま一緒に倒れてしまった。 とっさに手をついた、と同時に柔らかい感触。 左手に感じたその違和感は、男にはあるはずのないもので…