「ん...。あぁ...。おはよ、月[ユエ]。」

「...ん」


私の朝は、捨てられていた私を拾ってくれた、秋[アキ]を起こす事からはじまる。


「秋...仕事...」

「あ?まだ、大丈夫だろ。ほら、おいで」


そういって優しく微笑む秋。
高2の私より5つ年上の秋は、情報屋という仕事をしている。相手は大企業の社長からヤクザ関連まで範囲は豊富。


「ん...」


朝は秋と一緒に家を出て、学校が終わったら夕飯の食材を買って、秋が帰ってきたらのんびりすごして一緒に寝る。

ごく普通な毎日だけど、私は幸せだった。

秋がいれば、他のことなんてどうでもよかった。


「月、そろそろ家でるぞー」

「...ん」


あまり喋らない私。でも、秋は私を理解してくれた。

ねぇ、秋?幸せをありがとう。いつか、この幸せを返すから。貴方を不幸には絶対にしないから。......例え、私がボロボロになっても。