「けー…あれ、」

「…」

「…寝てるんかい」


健はなんと、リビングで寝ていた。

それはもう気持ち良さそうに、ふかふかのソファーの上で、毛布を肩まで被って。

テレビも点けたままだから、あたしはとりあえずその音量を少し小さくする。

…っていうか、今来てるのがあたしだからいいものの。

不審者とかだったら危ないよ、健。

あたしはそう思いながら、健を起こそうと肩に手をかける。


…あ、でもちょっと待って。

実際最近健に逢うと調子狂っちゃうから、敢えて起こさなくても…いいかな。

あたしはそいつの寝顔を眺めながら、ふとそんなことを考えた。

まぁ…それでもいっか!

しかしそう思って、その場から立ち上がった…その時。


「…!」


突然。

本当に突然、その時健の携帯が鳴り響いた。

あたしはまさか健の携帯が今鳴るなんて思ってもみなくて、思わずビックリして飛び上がる。

悲鳴を上げそうになって、自分の口を手で押さえていると…やがてその音に反応して健がようやく目を覚ました。

…どうやらその音の原因はただのアラームらしい。

健はその音をとめた瞬間、近くにいたあたしにやっと気がついて、言った。