一回目は、鳴らしても中から何も物音がしなくて。

いないのかな?

あたしはそう疑問に思って二回目を鳴らすけど、やっぱり中からの反応がない。


…留守?


しかしそう思いながら、なんとなくドアノブに手をかけると…


「…開いてるし」


何故か玄関のドアは、開いていた。

…無用心だな。

っていうか、健のお母さんの身に何かあった…とかじゃないよね?


そう思って、


「お邪魔しまーす…」


と、恐る恐る中に入って靴を脱ぎ、上がろうとする。

靴は、健のスニーカーだけが乱雑に脱ぎ散らかしてあって。

…こういうとこ変わんないな。

っていうか、健の靴しかないんだけど。
おばさん…いないの?

あたしはそう思いながら、その靴を揃えてやって、とりあえずリビングに進んでみた。


「健?」


しかし、そう呼びながらリビングのドアを開けると…