兄貴がイケメンすぎる件


あたしはそう言うと、「はぁー」と深いため息を吐く。

するとそんなあたしの横顔を、何か考えるようにして見つめる結菜さん。

あたしはその視線に気づかずに、話を続けた。



「…あたし、保護者のハンコが履歴書に無いの。反対されてるから、こっそりバイトしたくて」

「え、でもそういうのってバイト始めたらバレるんじゃあ、」

「それは大丈夫。保護者はあたしの兄貴なんだけど、兄貴はカフェで働いてて帰りも遅いから」

「…へぇ」



あたしはそう言うと、結菜さんに向かって少しだけ微笑む。


…そう。それは問題ないんだ。

ただあと本当に問題なのは、何よりバイト先。

早くいいとこ見つけたい。

……けど。ハンコがなぁ。この茶髪がなぁ。


しかし。あたしがそう思いながらあれこれ考えていたら、そのうち結菜さんが口を開いて言った。



「…あたし、良いバイト知ってますよ」

「え、」

「しかも、保護者のハンコがいらないバイト」

「!!」



何だって!?


あたしはその思っても見なかった情報を聞くと、背もたれに預けていた背中をすぐに起こす。

そして、言った。



「っ、何それ!どんなバイト!?」