結菜さんは公園の入り口に立っていて、あたしに向かって手を振っている。
あたしがその手を振り返すと、結菜さんが公園の中に入ってきて、あたしの傍に歩み寄ってきた。
「世奈さん独りですか?」
「うん。ちょっとバイトを探しに…。結菜さんは?」
「あたしは翔太おにいのマンションに向かう途中ですっ」
お兄ちゃん、今日もスイーツ作ってるかなぁと思って。
結菜さんはそう言うと、あたしの隣に座る。
そして、問いかけてきた。
「ってか、バイトするんですか?世奈さん。お兄ちゃんは何も言ってませんでしたけど」
「うん。あ、翔太には内緒ね。もうすぐ誕生日でしょ?」
「あっ!誕生日プレゼント!」
「そうそう」
あたしが結菜さんのその言葉に頷くと、結菜さんはパッと明るい笑顔を見せてくれる。
…その雰囲気も、なんとなく翔太に似てるな…義理の兄妹だけど。
あたしはそう思いつつ、ベンチの背もたれに背中を預けながら言った。
「……でも、全然ダメなんだよねぇ」
「え、何がですか?バイトがですか?」
「うん。さっきまで何軒か回って結構探してたんだけど……全部断られちゃった」

