あたしはその値段から目を背けると、翔太に気づかれないように静かに自身の財布を開いた。
しかし…
中に入っているのは、1000円札が二枚といくつかの小銭だけ。
今月のおこづかいはもう貰って使っちゃったし、まだ使っていなかったとしても月三千円のおこづかいじゃ全然足りるわけない。
あたしは自身の財布を閉じると、それを鞄の中に仕舞って、翔太に言った。
「…気になる?」
「…え?」
「ゲーム機」
「!」
あたしはそれだけを言うと、右手でそれを指差す。
その言葉に、やっと反応してくれた翔太。
「そ、そりゃあ……僕は持ってないからね~」
「…」
でも、だからといって欲しいわけじゃないんだよ。
翔太はそう言うと、ゲーム機から離れるけれど……だけどあたしとしてはそれは信じがたい。
なんだか、その表情や雰囲気だけは「欲しい」って言っているようで。

