「お前も来い。はーやくー」
「って、てか、閉まってる校舎に勝手に入っていいわけ!?」
「文句ばっか言ってないで早くこっち来いよー」
「…っ、」
健の行動にわかりやすく慌てるあたしに、健は冷静な態度であたしを急かす。
校門は柵で閉まっていて、あたしも健みたいに上らなきゃ中には入れない…。
だけど先に持っていた通学用の鞄を柵のむこうにやると、あたしは健に言った。
「…あたしスカートなんだけど」
「じゃあ俺向こう向いてようか?」
「……手伝って」
そしてあたしが柵に手をかけながらそう言うと、柵の向こうにいる健が「仕方ねぇな」って呟いてあたしに近づいてくる。
足をかけて上に上ったら、健があたしに手を差し出してきて、あたしはその手と肩に掴まると、とん、と地面に降り立った。
「意外と楽勝だねー」
「うそつけ」
「で、どこにいくの?なんか怖いんだけど」
あたしは真っ暗になっている校舎を見上げてそう言うと、地面に落ちている鞄を拾って肩にかける。
健が今から何をしようとしているのか全くわからないけれど、実際にこうやって校門を乗り越えた今は、そう簡単には外に出られない。
少しの恐怖とほんの少しのワクワク感を抱いていたら、健があたしの手をとって言った。
「まぁ、黙ってついてきてよ」

