「…っ…」
そんな突然の優しい言葉に、健に掴まれている腕の力が一気に緩まる。
思わず頼ってしまいそうになる気持ちを心の奥底にし舞い込んで、やがてあたしはその手を振り払いながら言った。
「な、何言ってんの。勘違いしないでよね。あたしはまだ翔太と別れてないから!」
「へーえ?」
「ただ……そう!あまりに毎日二人で一緒に居すぎてるから、ちょっと離れようかってなっただけ!
ほら、翔太ってすんごいモテるでしょ?あんまりくっついてちゃ女子達の嫉妬が凄いの」
「…」
「だからこれからは一緒にいたりとか、少なくなるけど…別れたとかじゃないから!それは、周りが勝手にそう解釈してるだけ!
あたしと翔太は離れてたってずっとラブラブだもん!」
あたしは必死になって健にそう言うと、別れたって思ってほしくなくて大丈夫なフリをする。
でも…本当は心の中じゃ不安だらけで。
もしもこのまま別れちゃったらっていう余計な心配が、消えない。
するとあたしの言葉を聞いていた健が、ふいにあたしを見遣って半ば呆れたように言った。
「わーかったから泣くな、泣き虫世奈」
「!!」

