そんな兄貴の言葉に、健はオムライスを注文する。
…あ、あたしが夜ごはんにいつも頼むやつだ。
なんて、また余計なことを考えて嫌なことを思い出す。
くそー、あたしと健は不釣合いなのに。
あたしがそう思いながら、メニューを取り出そうとして顔を上げたらそんなあたしの顔を見遣って健が言った。
「なぁ、お前顔死んでるんだけど」
「…」
そう言って、「ヤバイぞ」なんて何も知らずにケタケタ笑う。
…兄貴にケチャップ借りてコイツの顔にぶちまけてやろうか。
「…ほっといて」
こっちは翔太のことで頭がいっぱいで、辛いんだから。
あたしがそう思いながらメニューを開くと、健はあたしのすぐ隣に場所を移動して来て言う。
「ね、噂で聞いたんだけどアイツと別れたってほんと?」
「…」
「あー、その顔はほんとなんだ。やっぱ勇斗くんと会ったらなー」
「…っ」
健は何も知らないくせにそう言って、あたしの気も知らないで勝手にそう言って勝手にそう解釈をする。
一方その言葉を聞いたあたしは、さすがにもう黙ってはいられなくて。
思わずここがカフェであることを忘れて健を殴りかかったら…
「!」
そんなあたしの手を、健が即座に掴んで言った。
「俺で良ければ、話くらい聞くよ」

