あたしがそう答えると、翔太はそれ以上何も言わずに教室までの階段を急ぐ。
そんな翔太を前にして、一方のあたしは少しずつ不安になっていく。
まさか…まさか……違う、よね?
なんか、嫌な予感がする…。
でも翔太は、あたしから離れていかないって言ってたし。
不安に思うのは、まだ早いかもしれない。
やがて教室に到着してそこに入ると、さっそく翔太は女子生徒たちに囲まれてしまった。
「あ、翔太くんおはよー!」
「きゃー!翔太くん会いたかったぁーっ!」
「!…っ、」
そんな悲鳴にも似た甘い声と同時に、翔太の隣にいたあたしはその女子生徒たちにドンッとそこから突き放される。
痛いなぁ!ってキッと睨み付けてみても、彼女たちにそんなのが通用するはずがなくて。
翔太も翔太であたしに気がついていないのか、周りの女子生徒たちに笑顔で接している。
ほんと、なんか凄いニコニコしてる。
あたしに見せる時とは少し違う笑顔。
……最近、あたしの前で女子たちに囲まれても翔太は「世奈ちゃん!」ってあたしのところに来てくれていたのに。
今日はやっぱり、違うんだ。

