でも、そう言ったら健は突如真剣な顔をしてあたしに言った。
「…お前バカか」
「え、」
「俺はお前のことが本気で好きなのに、何でわざわざお前が離れて行くようなことしなきゃいけねぇの、」
健はそう言うと、じっと真っ直ぐにあたしを見つめる。
確かに、それはそうなのかもしれないけど、でも健は「絶対助ける」ってそう言ってくれた。
だから、あたしだって翔太を兄貴に会わせようって決心がついたのに。
「…酷いよ、健」
思わずあたしがそう言ってうつ向くと、健はふいにあたしの顎に手を遣って、それを軽く上に向かせた。
まるでキスをされそうな行動にあたしが少し驚くと、健があたしに少し顔を近づけて言う。
「…俺さ、この前ちゃんと世奈に伝えたよね」
「?」
「“俺とずっと一緒にいよう”って。もしかして、まだ伝えきれてない?」
「!!」
…この前、グランド裏倉庫に閉じ込められた時のことだ…。
「早月翔太と一緒にいろなんて、一言も言った覚えないんだけど」
「じ、じゃあ…助けるっていうのは…嘘?」
あたしが恐る恐るそう聞いたら、健は首を横に振って言う。
「…嘘じゃない。でも、それはあくまで“世奈のことだけ”。
本当は俺、
今日はお前らが別れてくれればいいな、と思ってここに来た」

