そんな翔太の言葉に、場の空気に緊張感が走る。
だけどあたしとしては翔太には負けてほしくなくて、祈るような気持ちで翔太を見つめた。
…そして、そんな強気な言葉を受けた兄貴は一瞬だけ翔太から目を逸らすと、やがて「…そか、」と小さく呟いた。
「…まぁ、今はわからんでもしゃーないわな。翔太くんもきっと、後になったら嫌でもわかるようになるわ。
自分がどんだけ世奈と釣り合わへんのか、」
「!」
兄貴はそう言うと、翔太に「ま、飯ぐらい奢ったるさかい、好きなもん食えや」とまたメニューを渡した。
「…?」
なんで…?
なんで兄貴とかお父さんは、やたらあたしと健をくっつけようとするわけ?
あたしが誰と付き合おうが、それってあたしの勝手じゃん。
そう思って独りでモヤモヤしていると、何を食べようか決まったらしい翔太があたしに聞いてきた。
「世奈ちゃん何食べる?」
その言葉に、あたしは「これがいい!」と、メニューに載っているサンドイッチの写真を指差す。
このカフェのサンドイッチは絶品なんだよ~。
そう思いながら今度はそのメニューを健に渡そうとしたら、健がメニューをあたしから受けとる前に言った。
「俺サンドイッチにする」
「!!…は、」
なんだその超不快な発言!
「ちょっと、マネしないでよね!」
あたしがそう言って思わず喧嘩腰になるけど、健は「だって俺もこれ好きだし」と譲らない。
そしてそんなあたし達を翔太が切なく見つめていることに気づかずに、あたし達は結局それをオーダーした。

