それから二人で朝ごはんを食べて、午前中は不安ながらも二人で楽しく過ごした。

お昼は兄貴のカフェで食べるつもりだから、あたし達は昼頃になるとマンションを出てカフェに向かう。



………でも、その前に。



いろいろフォローをしてくれるらしい健と公園で待ち合わせをして、やっとカフェに向かった。

だけど健の存在が気にくわないらしい翔太は、健にジロリと視線を遣って言う。



「…何で相沢さんも一緒なの?」



そう言って若干嫌そうな顔をしたけど、健は「うるせーよ」とだけ言ってそっぽを向いた。



「まぁまぁ…健は今日付き添いだから。来てほしいってあたしが呼んだの」

「…ふーん、」



あたしが翔太にそう言うと、翔太はどこか複雑な顔をしてまた健の方を見る。


…まぁ、あたしはこの前の倉庫でのこともあるし、なんとなく顔を合わせづらいな、ってのは今も消えない。

だけど、こういう時頼れるのは健だけなんだよなぁ…。




あたしが翔太の隣でそう考えていると、あたし達の前を歩いていた健がふと立ち止まった。

……どうやら兄貴がいるカフェに着いてしまったらしい。

健が店のドアを開けると、いつものようにそれがカランカラン、と聞きなれた音を出した。


あたしはその瞬間、怖くて思わず翔太の腕にしがみつく。



すると…



「いらっしゃいませー」



兄貴のそんな明るい声が、あたし達の耳に届いた。