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翌朝。



覚めたばかりの目を開けると、そこには見覚えのあるTシャツの柄が見えた。

そしてなんとなく顔を上げると、翔太のカワイイ寝顔が目の前にあって、あたしは安心して翔太のそのTシャツに顔を埋める。


そんなあたしの背中には翔太の腕が回されていて、あまりにもしっかり抱きしめてくれているから、何だか朝から照れてしまった。


翔太…結局ずっと抱きしめてくれていたんだ。


そう思うと、思わず顔が綻ぶ。


…大丈夫。不安なのはあたしだけじゃない。

きっと翔太だって不安なんだ。


あたしはそう思いながら、また翔太の中で目を閉じた。


でも、閉じた瞬間上から愛しい声が聞こえてきた。



「おはよ、世奈ちゃん」

「!」



その声にまた上を向くと、そこには眠そうな目であたしを見ている翔太がいて…



「おはよ、」



その翔太を見た瞬間、あたしはまた素直に「カワイイ」と思ってしまう。


も、ずるい翔太。

朝から可愛すぎる、




そんなことを思っていたら、翔太がゆっくりとベッドから起き上がった。

そしてベッドのサイドテーブルに置いてあった携帯を見ると、「…8時」って眠そうに時間を呟く。


…まだ8時なのか。

だったらもうちょっと寝ていられるな。


そう思ってあたしが二度寝をしかけていたら、突然翔太に腕を引っ張られて、上半身を起こされた。

何だ、と思ってびっくりしていたら、ふいに優しいキスが降ってきて、



「おはようのチュー」



翔太がそう言って、悪戯に笑った。