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そしてそれからなんとかカレーが出来上がり(ほとんど翔太が作った)、それを二人で一つのテーブルで向かい合って食べた。

途中、お互いに食べさせてあげたりして、この甘い時間があたしにとっては本当に幸せ。

今までの彼氏達とはこんなことはしたことがなかったからさすがに照れまくったけど、翔太も凄く喜んでたから何だかんだで結構ノってしまった。



そしてそのあとは使った食器を二人で洗って、それぞれお風呂に入って歯磨きもして…。

しばらく二人でテレビを観ていたら、翔太が言った。



「そろそろ寝よっか」

「!」



そう言って、さっきまで見ていたテレビを消す。

その言葉に時計を見てみると、確かに時計の針は夜の23時を過ぎていた。



「…そうだね」



内心ドキドキしながらそう頷いて、「おいで」と寝室へと案内してくれる翔太に手を引かれる。

実はあたし、彼氏の家に泊まったのは翔太の家が初めてで、だから男と一緒に寝たのなんて、子供の頃に健と寝た時以来だ。


…だ、大丈夫かな。


そう緊張してガチガチになるあたしに気づかずに、翔太が寝室のドアを開ける。



「…ベッド一つしかないし、布団も予備とかないから一緒に寝るけど、いいよね?」

「う、うん」



あたしがそう頷くと、翔太は寝室の電気をつけた。



すると…



「!!」



翔太が電気をつけた瞬間、あたしは目の前の光景にびっくりして思わず口をあんぐり開ける。


だって…だってそこには、



「え、翔太何これ、」

「うん?あぁ、それ?お菓子作りの本。いっぱいあるでしょ、」



大きな本棚に、お菓子作りの本がたくさんつまりまくっている光景があったから。