あたしがそう言うと、翔太があたしの頭を撫でながら言った。



「じゃあ、世奈ちゃん」

「?」

「許してあげるから、僕のお願い聞いて?」



翔太はそう言って、あたしの目を真っ直ぐに見つめながら言う。



「僕、世奈ちゃんとペアリングがしたい」

「!」

「…聞いてくれる?」



翔太のその言葉に、あたしは迷いもなく頷いた。



「うん、聞く!あたしもペアリング欲しい!」



あたしがそう言って笑顔を浮かべると、翔太は…



「じゃあ、買いに行くよ!」



そう言って、あたしの手を握って近くの店に入った。




……………




それからペアリングを買って店を出ると、浮かない顔をするあたしに翔太が言った。



「大丈夫だって、世奈ちゃん」

「でも…」

「そもそも最初にペアリングがしたいって言ったのは僕なんだし。ね?」



翔太はあたしにそう言うと、優しくあたしの頭を撫でる。


…ちなみに何が起きたのかと言うと、ペアリングをすんなり選ぶことが出来たのはいいものの、

いざ「買うぞ!」ってなった時、なんと翔太が全てお金を出してくれたのだ。

(いや、だからってそんな高い指輪じゃないけど)