その直後、あたしは他の女子生徒みんなに睨まれるわ陰口を叩かれるわで散々だった。

しかも翔太はやっぱり人目を全く気にしないタイプなのか、



『世奈ちゃん、』



とか言ってずーっと抱き付いてくるし。


…だけどそんな時でさえも、翔太に嬉しさを感じてしまうあたしも結構謎。

独りそんなことを考えていたら、まだあたしに抱き付いている翔太が言った。



「ねぇ世奈ちゃん」

「何?っていうかいい加減離れっ…」

「チューしよ?」

「!?…は、」



翔太は突然そんなことを言うと、あたしの顔を覗き込んできた。


な、何言ってんの!?

ここ教室だよ!

人前でキスとかできるわけないじゃん!

(いや、一回されたけど)


あたしがそう思いながら拒否ろうと口を開いたら、その言葉をあたしの向かいで聴いていた美桜が言った。



「きゃー、翔太くんダイターン」



そう言って、可笑しそうに笑う。


いや、笑ってないでこのバカなんとかしてよ!