「は…」
かのじょ?
って、アノ彼女?
え…なに、そんなこと…?
あたしが内心物凄く安心していたら、兄貴が話を続けて言った。
「いや実はな、1ヶ月くらい前、うちのカフェに初めてその彼女が来てん。で、最初はフツーやってんけど、店来る度にいろんなアプローチされて、そのうち落ちてもーた」
兄貴はそう言うと、あたし達に向かって少し照れたようにして笑って見せた。
な、なんだ兄貴、あたしはてっきり…。
「…兄貴と離れ離れにならなきゃなんないのかなって、考えちゃったじゃん…」
あたしが椅子の背もたれに寄りかかってそう言うと、兄貴は「え?」と笑った。
「だって突然カフェに顔出すなってメールよこすし、なんかぼーっとしてて変だし…だから、仕事上移動になったのかな、とかいろいろ…」
あたしがそう言って安心のため息をつくと、兄貴は「アホかお前」って笑った。
すると、そんなあたしの話を横で聞いていた健が、あたしに言う。
「世奈ってほんとブラコンだよね」
そう言って、可笑しそうにケタケタ笑う。
いや、アンタら笑ってるけどあたしはマジで心配したんだからね!
思わず怒ってそう言おうとしたら、それを遮るように兄貴があたし達に言った。
「ま、図書館に用事あるって嘘吐いたんは謝る。ごめんな」

