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兄貴に見つかってしまったあたし達は、そのまま三人ですぐ傍の喫茶店に入った。
すると、あたしと健の向かいに座っている兄貴があたし達に言う。
「で?何で俺を尾行なんかしてん、」
そう問いかけながら、兄貴は手元にあるアイスコーヒーをストローでくるくる混ぜる。
「だって…」
あたしが思わずうつむくと、隣にいる健が兄貴に言った。
「なんか世奈がね、“兄貴の様子が変”って言うから尾行してみよーってことになって」
「変?」
「うん。詳しい話は聞いてないけど、世奈、結構勇斗くんのこと心配してたから」
健は兄貴にそう言うと、あたしに目を遣って「ね?」って言う。
その言葉にあたしも頷いて、思いきって兄貴に言った。
「そうだよ。だって兄貴、昨日はやたらぼーっとしてたし」
「!」
「それに、さっきも図書館とは全然違う場所にいたじゃん。何してたの!?」
あたしがそう聞くと、兄貴はあたしから視線を外してそっぽを向いてしまう。
…これは本当に何かあるな。
そう思って少し不安になっていたら、兄貴はやがて降参したように口を開いて言った。
「…ん、しゃーないな。もうこうなったらお前らには話たるわ」
「?」
そんな兄貴の言葉にあたしがますます不安を覚えていると、兄貴は少し声のトーンを落として言う。
「実は俺な、
彼女出来てん、」

