PRESENT [ 気だるげなヒーロー ]




「どこが?」


「昔は泣き虫で、弱くて、笑ったことなんて片手ぐらいだったでしょ」


「あーそれ言わないで。黒歴史。」


「まじ?弱味握ってんねあたし。」


「根性曲がってんのは変わってねえのな」


「うるせえよ。」



あたしと大和で話すと、
男同士みたいになる。


二人とも素直じゃなくて。


大和は、母親は病死。
父親は殺人やって、死刑。


小さい頃は、二人とも病死だと、
周りに言われていたけど、
中1あたりのとき、新聞を見て知った。



小学生のころは、
毎晩のように泣いていて、
同室だったあたしが慰めるハメになって。


でも、どうしても

『なんでコイツの親は病死なのに泣いてんの。あたしは自殺だよ?あたしが泣きたい』


そんなこと思ってた。


でも、病死の方が悲しい。


死にたくて死んだわけじゃないから。



それだけ、愛があったから。