「麻欧ちゃんのお見舞い連れてってくれなかった最低なっちゃんめ」
え、来ようとしてたんだ。
「電車で行けば良かったろ」
「学生の金状況察しろよな」
あー遠かったもんね。
「何が悲しくて野郎を助手席に座らせて何十分も走んなきゃなんねーんだよ」
ワハハと教室が湧く。
「違うだろ、麻欧ちゃん独り占めしたかったんだろ」
ボソッと呟いた如月だったけど、皆には聞こえていた。
あたしは思わず、如月を見たあとに七瀬を見た。
微かに目を見開いたけど、次の瞬間ニヤリと笑った。
「妬いてんのか」
「っ!?たりめーだろ!」
「あほか。委員長始めて」
その声で佐賀さんが号令をかけた。

